鞆の浦は瀬戸内海の真ん中にあり、
紀伊水道と豊後水道から流れ込む海流が
この鞆の浦の沖でぶつかるそうだ。
干潮時は逆に鞆の浦を基点に東西に流れだす。
潮待ち風待ちの港として万葉集にも詠われた名勝。
今は癒しの港として昭和の名残を随所に見る事が出来る
波止場のカフェでアイスティーを飲んだ。
突端で日向ぼっこをしていた二人連れの爺さんが
自転車(KHS)を褒めてくれた(笑)
新幹線の福山駅から芦田川沿いに土手の道を15キロ下った。
今夜の宿は尾道…福山に取って返し輪行するか、
松永湾をグルッと回って海岸線を走っていくか、
その時点では決まっていなかったが、
爺さんが港の縁の坂を2キロも登ればトンネルだ、抜ければ後は下りだぞ!
こちらの根性を試すように笑うので、ちょっとむきになって
自転車で行く事にした(笑)
海岸景勝地としての鞆の浦は
「常夜燈」「雁木」「波止場」「焚場」「船番所」という
江戸時代の港湾施設が全て揃って現存しており、
その周りにある街路も江戸後期の町絵図がそのまま通用する。
船道具屋が看板そのままにアンティークを扱っていたり、
港を取り巻く街並みの散歩も楽しい街だ。
のどかな風景は心を癒してくれる。
港の奥には流星ワゴンの主人公の実家が…(笑)
石畳も走り辛いという事ではなく、古い質感を醸し出している。
瀬戸内の優しい港は旅の始まりを優しく見守ってくれている。
港の外れから坂は始まった。
吐く息が次第に荒くなる。
「ふーっふーっ」から「ふっふっ」に変わり
そのうち声が混じり「はっはっ」になる。
ギアは最後の一枚!弱虫「な」ペダルだ~(笑)
スピードは8、7、6キロと落ちて来る。
一昨年白馬の坂を登ったことを思い出す。
目線は近すぎず遠すぎず、自分の心が折れない
範囲で遠いところに置いておく。
へこへこ漕いでいるとピークな雰囲気(微笑)
これからは下り、天国の時間だ(*^。^*)
3時に鞆の浦を出て約30キロ海岸沿いの道を走った。
どうにか日没前に尾道に到着。
今夜の宿は尾道港の倉庫をリノベーションした
「ONOMICHI U2」という複合スペースにある
「HOTEL CYCLE」自転車を部屋に持ち込める
しまなみ海道ツーリングのおしゃれな拠点である。
この夕焼けに間に合って本当に良かった。
デッキスペースが広くオシャレな雰囲気。
接岸された船や対岸の向島のドックの灯り
文句なくムード満点、けして一人では行ってはいけない(笑)
シックなフロント
KHSと連れだってチェックイン(笑)
夕食は併設されたKOG(漕ぐ)BARで、
メインはチャコールでグリルした広島チキンをチョイス
伯方の塩を胡椒だけでじっくりこんがり焼きあげてある。
皮はパリパリ中身はジューシー、美味であった。
奥様の誕生日ということで福山からいらしていた
ご夫婦と知り合った。
お二人でしばしばしまなみ海道をサイクリングするとのこと
桜の時期が素晴らしいとのこと。宿題が出来る(笑)
翌朝、秋の雲に朝陽が光っている。
眩しいデッキに長い影が…
今日は午前中尾道観光。
ランチの後はいよいよしまなみ海道ツーリングとなる。